北アルプスの「つばくろ岳」は、高山植物の女王「コマクサ」が見たい人には夢のような「花の百名山」、と田中澄江が紹介している。その夢がとうとう実現したよ。登山口の「中房温泉」を出発しかなりの急傾斜を登り切って、昼過ぎに2763mの山頂にたどりついた。大岩の上の4、5人分の狭い所に「頂上」のプレートが。眼前に聳えているはずの主峰「槍ヶ岳」は霧の中だった。
真っ白なガレキの急斜面全体に咲くコマクサは、青緑色の細かい葉の上にちょこんとピンクの花が数本飛び出して。いちめんに水玉模様で刺繍したようだったよ。コマクサは春に野原に咲くケマンソウの仲間で、その白とピンクの花が馬(駒)の長い顔(ウマヅラともいう)に似ているためにこの名がついた。高山の悪条件で他の物が一切生育できない厳しい砂礫の中に単独で群生している。10センチくらいの高さなのにその根っこは1mにも深くなるという。それで「孤高の女王様」と呼ばれるのかな・・・。
2年生のMIさんは前回、「関係詞」 what の慣用表現を勉強した。Facts are to the scientist what words are to the poet. (事実の科学者に対する関係は、言葉の詩人に対する関係と等しい。)の what とは何だろう?関係ということ?高校では教えてくれないね。実は「大切なもの」と訳しておくといいのだ。Facts are important to the scientist just as words are important to the poet. (詩人には言葉が大切であるように、科学者には事実が大切だ。)とパラフレーズできるから what をsomething important whichと考えればいい。今日は whatever やwhereverなどの「複合関係詞」を勉強した。「獨協大」の和訳で少々難しかったのは、 ・・and teaching Japanese boys turns out to be a much more agreeable task than I had imagined. でturns outの主語が「単数」のはずだから boys ではなくてteaching 以下であること。「日本人の生徒に教えることは、想像していたよりもずっと自分の性分に合っているとわかった。」
御殿場教室の1年生MU君が出席した。今日は「動詞の未来形」と「現在完了」をやってみたらほぼ完璧に理解できていた。動詞の不規則な変化形をもっとたくさん覚えるといいね。学校の宿題で「やさしめの長文」を全訳する夏の課題にも取り組んで、ほぼうまく和訳できていた。今日のプリント後半は「名探偵ホームズ流?」の全訳に取り組んだ。時間の節約のため筆記せずに口頭で和訳を言ってもらったら、かなり正確に訳せていた。自信がついてきたかな。 尾上
(追記)信州旅行の二日目。夜行バスで新宿からツアーで到着した人たちもいて、20日(土)早朝の登山口には100人くらいの若者たちが出発の準備や体操なんかしている。すごく人気の高い山なんだなあ。安曇野の山奥の「中房温泉」に宿泊した朝、玄関前で一足先に出発する小柄な若い女性に話しかけた。テントの入った大きなザックを背負っていた。
「燕岳」登頂で終わりじゃないらしい。更に尾根伝いに「大天井岳」(おてんしょうだけ)と「西岳」を経由して、あの私の憧れの「槍ケ岳」3180mを極めるという。その後は「槍が沢」から「上高地」に降りる計画よ、とニコニコして語る。それを一人で?すごい!2泊3日の稜線歩きで、これが有名な「表銀座コース」と呼ぶらしい。
同伴の家内は温泉宿で一日のんびりさせて2時間後に私も出発。とても急斜面なので第1、第2、第3ベンチで休みをとりながら2時間で「合戦小屋」に到着したらおおぜいの登山者だよ。一切れ800円のスイカをみなさん一様にかぶりついている。これは食べるのがルールのようだけど私は無視して山頂へ。
ルビーのような真っ赤な実を一列にぶら下げたタケシマラン、小さなひまわりのようなウサギギク、真っ白なウメバチソウやシラタマノキを見ながら登る。山頂小屋で一泊した家族や若者たちがもう下ってくる。脚が軽く今日の私は快調だ。抜かれるよりも抜くことが多いなあ。
大きなお花畑に来ると、ミヤマハハコ、アザミ、ミヤマトリカブトが色とりどりに咲き乱れ、その上には青、赤、黄色のテントの屋根がチラチラと。「着いたよ!」、表銀座コースの分岐点、ヒュッテ「燕山荘」の立派な山小屋に着いた。宿泊者の靴が散乱する玄関で記念にワインレッドのTシャツを購入した。コマクサとツバメの絵入りが嬉しい。登れなかった家内にもバンダナを一枚。北アルプスの名山がすべて挿絵入りで説明されそこに燕が舞っている。
小屋のすぐ裏から山頂まで奇岩がニョキニョキと続き、1キロの白いガレキの尾根道にビッシリと咲き乱れるコマクサたち。7月に咲き始めてもまだこんなに一杯残っていてくれたよ。8年前、八ヶ岳の「硫黄岳」山頂で巡り会って以来でほんとに久しぶりに「女王様」に会えたなあ!
