なにやら訳の分からない状況で解散された衆院の選挙が終わった。
結果は周知の通り!!
どうやら多くの同胞達にとって過去4年間の「小泉改革」は、賞賛に値するものだったらしい!!
そもそも、外交(米追従政策の是非・北方領土・拉致問題始めアジア諸国との関係など)や、内政(年金・少子高齢化対策・失業対策など)など課題は山ほど在るのに、「郵政民営化」という1つの政策の是非だけを争点に、今後4年間この国の立法を任せる議員を選ぶ選挙を国民に強いるなんてあまりにも傲慢だと思うし、これこそ「税金の無駄遣い」に他ならないだろう。
投票率が上がることは当然良いことだけど、一見分かりやすく簡潔なキャッチフレーズを繰り返し繰り返し発言し、問題を自分に有利なものだけに集約限定してしまう一流のやり方に、あまりにも踊らされてる気がするのは僕だけだろうか??
お得意の「民間にできることは民間に…」というのも、一見極めて当然で素晴らしいことに思えるかもしれないけど、民間企業の目的は、あくまでも利潤の追求(もうけること)。
そのためにサービスも競うけど、無駄の切り捨ても競う。
高齢者や障害者など、いわゆる「生活弱者」と言われる人達にとって命綱になるようなことであっても、企業の目的である「もうけ」にとって「無駄」だと判断されたら、それは切り捨ての対象になってしまう。
例えば、電話のことなら何でも相談に行けた地元の電話局は、電電公社が民営化されたことで統廃合分社化され、高齢者が気軽に足を運べる場所ではなくなった。
「郵政民営化は改革の本丸」っていうけど、みんなほんとにそう思って投票したんだろうか??
景気対策よりも年金よりも教育よりも、郵政民営化が最優先すべき施策だと、ほんとにみんなそう思ったんだろうか??
一見わかりやすいコピーなどに振り回されることなく、問題の本質をしっかり見抜いていく確かな目を持たなければ、そしてそれを子供達にもガッチリ伝えていかなければと改めて強く強く思う。
ところで選挙といえば、僕達全盲者には「代理投票(二人の立会人に目的の候補者の名前を口頭で伝えて記載してもらう)」と「点字投票」の二つの方法が用意されてるけど、いずれの方法もいまいちしっくりこない!!
まず「代理投票」の場合、不正を防ぐためとはいえ二人の他人に投票内容を公表することになり、プライバシーを守ることができない。
一方点字投票の場合、一見プライバシーは守れると思うけど、驚いたことにこんな恐ろしい実話がある。
二十歳になって初めて点字投票をした全盲の青年が、選挙後に知り合いの某政党所属の代議士に声をかけられた。
「比例代表も○○党に入れてくれたんだね、ありがとう。」!!
驚いて「どうして分かるんですか?」って尋ねた彼に、代議士は笑いながら「この町で点字投票をする人はほとんど××党に入れる中で1票だけ○○党っていう票が在ったらしいから……」と平然と答えた!!
それから彼は選挙に行かなくなったという。
電子投票など、様々な最新技術が検討されている今、大多数の人間の利便性を追求する中で必ずと言っていいほど取り残されていく少数の人がいることも、是非忘れずに考えてほしいものだよね。
さて、なんだか文句ばっかり書いてしまったから、最後にいい話を1つ(^_^)ゞ
僕がずっとヘアメイクをお願いしてる美容師のTさんは足摺岬のある土佐清水市(とさしみずし)の人。
そこから車で30分も走ると、僕が生まれて幼い日を過ごした中村市(現四万十市)で、その町にあるM美容室のお客さんで、幼い頃の僕を知ってるという人がいて、その人からのメッセージをTさんが預かってきてくれた。
その人は、4・5歳の僕がお守り(オモリ)のお婆ちゃんと通ってた医院の事務員さんだったらしく、マセガキの僕は当時20代だった彼女にいろいろと話しかけてたらしい。
「とっても利発で明るくしっかりした子でした。 立派に活躍してる姿を嬉しく拝見しています。 何度かコンサートにも行くのですが声をかけられなくて……!!」。
そんな彼女が僕に謝りたいことがあるという。
なんでも、当時医院の受付に水槽があって、数匹の金魚を飼っていたらしく、あらゆる物に興味を示す僕が彼女に金魚の色を細かく訊いたらしい。
そのとき、彼女としては適切な答えを返せなかったという思いがあって、そのことを僕に謝りたいとずっと思ってたという!!
失礼ながら、今はもう60代半ばであろう彼女が、ずっとそのことを思い続けてくれてたなんて、ちょっと申し訳ない気もする反面、暖かいけど切ないような、なんとなく涙が出そうな嬉しさが込み上げてきた。
そして、小さな出会いや会話の1つ1つを大切に生きてこられたこの人の生き方に、僕も大いに学ばなければと改めて思った。