珍しく昨夜髭じいから電話がかかってきた。
「自主的避難勧告が出たよ!!」
ハゲじい(違う)髭じい宅の近くを流れるハゲ川(違う)波介川(はげがわ)が流れ込む仁淀川(によどがわ)が増水したため、波介川への逆流を防ぐ目的で、波介川が仁淀川に流れ込む部分の水門を閉めたことで、少しでも雨が降れば、はけ口を失った波介川そのものが氾濫する恐れがあるとのこと!!
僕が承知してる範囲で、避難に関する行政からの指導は、自主的避難勧告→避難勧告→避難指示(昔の避難命令)の順に緊急性を増していく。
その後の雨の状況とこれまでの経験から、おそらく髭じい宅にはさほどの被害は無かっただろうけど、周囲の田畑や一部の民家では相当な被害を受けたところも在ったらしい。
現時点で全国の死者行方不明者が20名!!
ある程度予想されてたこととはいえ、ナービーの爪痕は大きい。
ところで、台風14号は新居で迎えた初めての本格的な台風。
「ここはほんまにめっちゃくちゃ風が当たるで!」っていう友人T君の言葉通り、なかなかハードな暴風雨に長時間さらされた!!
耐震・耐暴風性に優れた頑丈なSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造で、間にガスを封入したペアガラスの窓にもかかわらず、建物全体が揺れたんじゃないかと思うほど強烈な衝撃(実際は突風の風圧で窓を叩かれたときの室内の空気振動)と激しいサッシの風切り音が、未明から夜遅くまで続いた。
そんな非日常的な音と衝撃に浸りながら(笑)あれこれ用事をしてるうちに、頭の片隅で小さな衝動が生まれ、それは風雨が激しくなるのに比例して時間を追って大きく膨らんでいった。
そしてその衝動を抑えるために、心の中で葛藤が始まった。
「この風雨の中、ルーフバルコニーに裸で出たらなんぼか気持ちええやろうな〜」
「いかんいかん! なんか飛んでくるかもしれんし、もしも何かあったら人に迷惑かけるやろう!」
「大丈夫、こんな高いところなのに周りから飛んでくるものなんてあるわけないって〜!」
「自分が突風で飛ばされて怪我でもしたらどうする??」
「年寄りでもないのにそんなことあるわけないやん!!」
「命を落としてる人もいるっていうのに楽しんでどうする!! しかも月曜日の生放送で、なるべく外には出ないようにって言ったのは自分やろう!!」
「だからそれは周囲に危険がある場合ってことで……!! まぁとにかくこの激しい自然現象の中に無防備で体をさらしてみたいんやって……」
何回かの水入りを挟んで朝から続いていた長い取り組みは、ようやく夜になって決着がついた。
果たして結果は……!!
勝負の行方を大きく左右したのは時間の経過だった。
いや決してどちらか一方がスタミナ切れしたとかそういうんじゃなくて、夜になった(周りが闇になった)という正に時間の経過が勝負を分けた。
つまり、うちの電灯さえ付けなければ、バルコニーは漆黒の闇(のはず)!!
周りから見られることはないだろう!!
8時を過ぎて、ピーク時に比べると雨は少し弱まった物の、日常では決してあり得ない程度には十分荒れてる。
リビングからベランダへ出る窓際にバスマットを敷き、その上にバスタオルを置いて、それからおもむろに着衣を全て脱いだ。
幸運なことに、この窓は風下になってる。
それでも風が弱まったわずかなタイミングをとらえて一気に外へ出た。
「お〜…!!」
想像を遥かに超えるざわついた空気!!
そして幅2メートルほどのベランダを進んで、いよいよルーフバルコニーへ!!
「うっうお〜……!!!」
強風で息ができな〜い、全裸の全身に激しく打ち付ける雨粒が痛〜い!!
一瞬ひるんだけど、思い切って体制を立て直し、風に向かって両手両足を広げて立った!!
周りには果てしなく誰もいない(はず)!!
自然との一体感なのか開放感なのか、はたまた征服感なのか、とにかく言いしれぬ高揚感に鳥肌が立った(ちょっと寒かったのもあったかも!!)♪
そしてそのうち、もっと無防備に身をさらしたくなって、そのままバルコニーに大の字になった。
犬と思いっきりじゃれたくなって思わず地面に寝っ転がってしまうのと近い感覚かも!!
容赦なく顔に降りかかってくる雨粒にむせながら、あっちこっち転げ回った!!
野外で、全裸で、激しい風雨にさらされながら、誰の目も気にせずに転げ回る!!
こんな状況に快感を覚える自分がちょっと怖いかも……(^。^;)
でもさすがにそのうち体温を奪われて寒くなったので、家の中に入ろうと立ち上がった瞬間、いきなり正面から強烈な勢いでぶつかってきた空気の固まりに思わずよろめいた!!
「おっと危ない! ここで転んで怪我でもしたら、突風に煽られて転び怪我をした男性ってことで、台風14号による怪我人の一人として数えられてしまうぞ!! しかもなぜか全裸で??!!」
後は這うようにしてベランダに戻り、風のやみ間を見てリビングに入った。
バスマットの上であらかた体を拭き、浴槽に湯を張ってなかったことを少し後悔しながら熱いシャワーで冷えた体を温めた。
★ 追記
その後「また怒られるかな〜!」って思いながら電話で状況を報告した僕に、「ルーフバルコニーに置いてあるアルミ性のベンチが飛ばないように、天地を逆に(座面を下に)してくるように、もう一度行ってこい!」って命令したお由美丼って… いったいどうよ??……( ・o・)
なお、くれぐれも言っておくけど、よい子も悪い子も絶対にこんなバカな僕のまねだけはしないようにしてください。
もし大人の方で「やってみたい」なんてバカな人がいるなら、くれぐれも自己責任で、絶対に怪我などしないように(周りが迷惑をします)気をつけてくださいませ。